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まずは、福岡県民謡「炭鉱節」の一節を。
月が出た出た月が出た(アヨイヨイ) 三池炭鉱の上に出た
あんまり煙突が高いので さぞやお月さん煙たかろう(サノヨイヨイ)
あなたがその気で言うのなら(アヨイヨイ) 思い切ります別れます
もとの娘の十八に かえしてくれたら別れます(サノヨイヨイ)
私見だが、この歌はそんなに古いものではなく、「炭鉱節」というぐらいだから、石炭の需要が増える明治末から大正以降に作られたものだろう。
歌詞は、各地域で多様に変化して歌われており、上記の引用詞が必ずしも一般的ではないかもしれない。
というより、後段はお座敷の端唄・小唄に、よく唄われていそうな詞の文句である。
私が気に入ったのは、その後段の詞で、ある程度年月のたった夫婦のやり取りが想像される。
その女性側の「もとの娘の十八にかえしてくれたら」などという切り替えしに、男は見事一本とられたさまで、長年の生活の中で、女がうまく男を手玉に取っている夫婦愛(?)が、この1行に端的に凝縮されていている。
それだけに、やはり、お座敷などで繰り返し歌われ、洗練された一字一句がこの曲に引用された、という推測はまんだらでないかもしれない。
演歌でよく歌われる男女だと、こうはいかないんだなあ。
「あなた変わりはないですか。日ごと寒さがつのります。着てはもらえぬセーターを、寒さこらえて編んでます。」
と、たいがい女性側に歩が悪い。(この歌の場合、夫婦でないかもしれないが。)
また、もっと若い今どきの男女なら、
「あれからぼくたちは、何かを信じてこれたかなぁ。夜空のむこうには、明日がもう待っている。」
などと、やはりここでも、男がとらえどころのない言葉で自分の哲学をつぶやくが、女の存在はこれ以降も見えてこない。
こうして歌の文句を比較すると、男女雇用機会均等法が施行されて久しい今の日本に比べて、かつての封建制度が色濃い時代の女性の方がたくましいのは、皮肉な話である。
男女が対等な、民主的な Love Song
の復活を期待したいものである。
by くりんと
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