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河島英五の「心から心へ」をフル・コーラスで聴きたいという予ねてからの願いが、ついにかなった。
比叡山1200年コンサートの映像で、27分もあるこの曲の「結」の部分(下記に抜粋)だけを聴き、以来、「起」「承」「転」を追いかけて十数年。
私の努力不足だったかもしれないが、「河島英五大全集第3巻(徳間ジャパンコミニュケーションズ)」におさめられていることを、このホームページ<Guitar
Case 9>を訪れた方から教えていただいた。
デジタルで一方的なコミュニケーション手段と、半信半疑であったインターネットに、人肌の温もりを知った一瞬でもあった。
河島英五の代表曲といえば、「酒と泪と男と女」や「時代おくれ」など"酒豪もの"がよく取り上げられる。
しかし、この「心から心へ」は、力ずくの若き肉体とそれを理解しながらも必至でコントロールしようとする精神の葛藤がうたわれたもので、彼の初期の頃の作品には、こうしたテーマのものが多い。
かつて悩める20代の私が、兄貴と慕ったのはそうした曲だった。
緊張しながらCDのPlayボタンを押すと、アコスティックギターのアルペジオにのせて、
「洗濯機と冷蔵庫が ひとつ屋根の下に暮らしても 愛とか憎しみとか
心みだれることも無いだろう・・・」という詞が聞こえてきた。
私の想像する「起」を絶していた。
足先まで電気が走った。
おそらく、自身のノン・フィクションではないかと察せられる詞が、その後の「承」「転」を織りなしていく。
これまでのベスト・セレクションCDとは違って、この大全集3巻には、そのような曲が多く収録されているようで興味深い。
ただ、私が河島英五を追跡するのは、これぐらいにしておこうと思う。
いい出会いには、その時でなくてはならない"機"というものがある。
歌手河島英五との出会いには、いつまでも体温を残しておきたい。
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