【八木尾から熊野大社へ】
果無峠越えのルートは「八木尾」バス停付近で国道168号線に合流する。降り立ったところは旧国道で、現在、国道168号線は切畑トンネルが開通するなど、十津川〜新宮間もずいぶん直線化が進んでいる。ただ、路線バスは集落を縫うように走っている。しばらく舗装道路を歩き、「平岩口」バス停付近から旧国道をはずれ、「三軒茶屋跡」をめざす。三軒茶屋跡には休憩小屋及びトイレが設置され、すぐ近くには「九鬼ヶ口関所跡」がある。ここは,田辺を起点とした「中辺路(なかへち)」との合流地点であり、熊野大社はもう一息である。
途中、展望台を寄り道すると、大斎原(おおゆのはら)の大鳥居を望めることができ、すばらしい眺望である。明治22年の大洪水で被害をうけ、現在の地に社殿が移されるまでは、熊野川と音無川に挟まれた三角州に社殿が立ち並んでいた。その旧社地大斎原に、平成12年、高さ33.9mを誇る大鳥居が建立された。最後の石畳を上り、最後の祓殿王子跡。熊野本宮の参詣前に身を清める、御祓を行う場所として重要な意味を持っていたという。
熊野本宮大社へは裏側からの到着になるが、ここで参拝したあと、参道の石段を下り、大斎原も訪れたいものである。 |