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テン

食肉目イタチ科

   ゴミ箱を漁る罪でついに御用、その後は、奥山放獣です。/天辻(2011.MAR.)

高野辻(2003.DEC.)
 
高野辻(2003.DEC.)
 
和佐又山(2008.FEB.)  
 
和佐又山(2008.FEB.)   和佐又山(2008.FEB.)

天辻(2011.MAR.)
   

 
 前足・後足とも、5本の指がある。 ギャロップ走行になると指先は閉じた状態で、左右とも、前足の跡に後足の跡が重なっている。歩行跡は指先一本一本までくっきり残る。捕獲されたテンの足裏と比べると、肉球のつきかたがよくわかる。


高野辻(2003.DEC.)
 
天辻(2011.MAR.)
   
高野辻(2004.MAR.)    


 「テンの高糞」と言われるように、岩の上などにポツンと残っていることが多い。雪上の写真のものは 、緑がかっており、多量の種子が含まれいた。

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 天辻峠でうどん屋を営む私の知人宅には、冬場、テンがよく現れゴミ箱を漁るらしい。住民にとってはそのいたずらに困っているが、自然の豊かさの表れでもあると 、部外者の私はのん気に写真を撮らせてもらった。積雪後につけた彼らの足跡は非常に特徴的で、足裏の肉球と爪の跡ががくっきり現れる。先の御用となったテンの足裏を覗くと、細い枝なら鷲掴みにして木登りも器用にこなしそうな 指先である。
 テンには「テンの高糞(たかぐそ)」や「イタチなき間のテン誇り」という言葉がある。テンの残した糞は、岩の上や登山道のよく目立つところに見られ、その習性の一端をとらえているが、大柄なテンが、普段はイタチに道をあけているのかどうか 、こちらはよく分からない。(笑)

 本州におけるイタチの仲間は、ホンドオコジョ、テン、そしてイタチの3種。ホンドオコジョは、中部以北の山岳地帯に生息し、頭胴長♂18〜20cmと最も小さい。テンの場合、頭胴長♂45〜48cmと最も大きく、美しく豊かな黄金色の冬毛に出会えば見間違うことはないだろう。
 通常は単独行動で夜行性、木登りは得意で木の洞などにも巣を作る。したがって、ムササビにとっては肉食性のテンが最大の天敵となるが、テンの糞には植物の種も多く見られ果実も大好物のようだ。
 年1回、7〜8月に交尾し、ほぼ8ヵ月後の4〜5月に、1〜4頭の子を樹洞など比較的簡単な巣の中で出産する。
 北(人為的な移入か)・本・四・九