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野鳥一期一会

 
         
         

逆さ歩行の忍者ゴジュウカラ

スズメ目ゴジュウカラ科

高野辻(2010.1.17.)

 大きな木の幹に爪をしっかり立てて、忍者のような軽やかで移動する。しかも、逆さ向き歩行が得意なようで、地面に向かってスルスルと動く様がこの鳥の特技と言えるだろう。初夏、大台ヶ原の駐車場からシオカラ谷に向けて数十メートル落葉広葉樹の森に入ると、フイフイッフイフイッといったさえずりが聞こえてくる。やがてその声が近くなり、ミズナラなどの林間に目を凝らせば、例の逆さスタイルのゴジュウカラが足ばやに餌を探している。コゲラなども、幹を這うように移動するが、翼の両脇の橙色がゴジュウカラのオシャレ心だろうか、素早い動きの中でもこの蛍光色の残像が残るため同定に確信を持つ。
 50代に突入したときの年賀状に、この鳥の写真を貼り付け「男はゴジュウカラ」と洒落っ気めいたものをお送りしたことを思い出す。

 丈夫な嘴と短い尾をもち雌雄同色。
 九州以北の山地の林に留鳥としてすみ、本州中部では標高1000mくらいの山地の落葉広葉樹林に多いが、北海道では低地にもいる。