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野鳥一期一会

 
         
         

林間で得意な隠遁の術を発揮するトラツグミ 

スズメ目ヒタキ科

馬見丘陵公園(2011.2.13.)

よく行く馬見丘陵公園の野鳥愛好家たちの会話の中で、「いいのが撮れましてね」と鼻高々にトラツグミの写真を見せている場面に出くわしたことがある。またある時、私自身が息を凝らして林間を見つめていると、後方から小さな声で「トラですか?」と囁かれたこともある。どうやらこの公園では、大きな獲物らしい。
 一方、近似種のツグミは、全く無防備に、開けた芝生地に出てチョンチョンと飛び跳ねながら餌をあさっている。トラツグミの方は、素早く飛び立って逃げるのが苦手なのだろうか。
 トラ縞模様の本家であるトラは、林間で見事にカモフラージュして身を潜めて獲物を狙っているが、同じトラ柄をまとったこの鳥も、その長所を生かさないはずがない。林間や林縁では、安心してミミズなどつついているが、落ち葉を踏みしめた時のガサガサという音が欠点にならないのだろうか。バードウォッチャーは、その音もたよりにその所在を探るが、それでもトラ縞模様がいとも簡単に人の目を攪乱するのである。

 雌雄同色。
 
全国的に繁殖し、北の地方のものは暖地へ移る。低地から山地のよく茂った林にすみ、林中や林縁の地上でミミズをとる。林の中を低く飛ぶことが多い。